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【介護保険最新情報 Vol.1545】令和7年度介護保険事務調査を公表 全国1,573保険者の実態

厚生労働省は、令和7年度介護保険事務調査の集計結果を公表しました。 全国1,573保険者が回答し、保険料、要介護認定、地域支援事業、利用者負担軽減など、介護保険制度の運用状況がまとめられています。
はじめに
2026年10月2日、厚生労働省は「介護保険最新情報 Vol.1545」を公表しました。
今回の内容は、
「令和7年度介護保険事務調査の集計結果について」
です。
調査時点は原則として2025年4月1日現在で、全国1,573保険者すべてが回答し、回答率は100%となっています。
介護保険料の徴収方法から、要介護認定、事業所指定、地域支援事業、独自給付、利用者負担軽減、滞納処分まで、自治体による介護保険制度の運用状況が幅広く整理されています。
介護保険料は特別徴収が約3,221万人
65歳以上の第1号被保険者について、
特別徴収の対象者は約3,221万人、
普通徴収は約377万人
となっています。
また、普通徴収で口座振替を利用できる保険者は1,556、全体の98.9%でした。
低所得者に対して自治体独自の保険料減免を実施している保険者は430保険者(27.3%)となっています。
自治体によって保険料の徴収方法や独自の減免制度に違いがあることが分かります。
要介護認定調査は自治体による直接調査が中心
新規の要介護認定調査については、
1,552保険者(98.7%)
が保険者による直接調査を実施しています。
更新・区分変更認定についても直接調査が1,526保険者(97.0%)と多い一方、
指定居宅介護支援事業者等への委託は1,040保険者(66.1%)
となっています。
更新・区分変更では、居宅介護支援事業所などが認定調査に関わるケースが全国的にも多いことが分かります。
事業所指定の「公募」を行った自治体は235保険者
2024年4月1日から2025年3月31日までの間に、介護サービス事業所の指定について公募を実施した保険者は、
235保険者(14.9%)
でした。
内訳では、
定期巡回・随時対応型訪問介護看護:107
小規模多機能型居宅介護:126
看護小規模多機能型居宅介護:150
となっています。
地域の介護サービス供給量を調整するため、自治体が公募方式を活用している実態が見えます。
福祉用具・住宅改修支援は57.2%の保険者で実施
地域支援事業などでは、
福祉用具・住宅改修支援事業を899保険者(57.2%)
が実施しています。
また、地域支援事業以外の事業として行われる、栄養改善が必要な高齢者への配食・見守り事業は430保険者(27.3%)でした。
地域によって、高齢者の在宅生活を支える独自の仕組みにかなり差があることがうかがえます。
自治体独自の介護サービスも
介護保険には、国が定めた一般的な給付以外にも、自治体独自の仕組みがあります。
例えば、市町村特別給付を実施している保険者は163(10.4%)。
また、支給限度基準額を国の基準より上乗せしている保険者も24(1.5%)ありました。
同じ介護保険制度でも、住んでいる地域によって利用できる支援や給付に違いがある場合があります。
利用者負担の軽減措置も自治体ごとに実施
利用者負担の軽減施策では、
社会福祉法人による軽減措置を1,532保険者(97.4%)
が実施しています。
そのほか、
障害ヘルパー利用者の軽減:521保険者
離島等地域の軽減:125保険者
中山間地域等の軽減:73保険者
市町村独自の軽減:247保険者
となっています。
利用者や家族から負担について相談を受けた場合には、全国共通の制度だけでなく、自治体独自の軽減制度がないか確認することも重要です。
介護保険料の滞納処分は721保険者で実施
介護保険料の滞納処分を実施した保険者は、
721保険者(45.8%)
でした。
差押え決定人数は21,689人、そのうち滞納保険料への充当人数は16,740人となっています。
また、滞納者への保険給付制限では、
償還払いへの変更:1,836人
保険給付の一時差止め:45人
保険給付の減額等:9,784人
という結果も示されています。
前年度から増えている項目も
今回のPDFには、参考資料として令和6年度介護保険事務調査の訂正版も掲載されています。
単純比較すると、例えば事業所指定の公募は、
令和6年度:149保険者 → 令和7年度:235保険者
へ増加しています。
また、配食・見守り事業も、
316保険者 → 430保険者
となっています。
年度ごとに自治体の取組がどのように変化しているかを見る資料としても興味深い結果です。
PDF後半は「令和6年度」の訂正版なので注意
今回の資料は15ページありますが、すべてが令和7年度調査ではありません。
9ページ以降は、以前公表された令和6年度介護保険事務調査の一部訂正資料です。
赤字部分が自治体からの訂正を反映した箇所として掲載されています。
数字を確認するときは、令和7年度と令和6年度の資料を取り違えないよう注意しましょう。
介護事業所に直接の手続きはある?
今回の通知は、介護事業所に新しい届出や申請を求めるものではありません。
全国の保険者が介護保険制度をどのように運用しているかを集計した調査結果の公表です。
ただし、介護事業所やケアマネジャーにとっても、
「自治体によって利用できる支援や制度に違いがある」
ことを改めて確認できる資料です。
利用者や家族から費用やサービスについて相談された際には、全国共通の介護保険制度だけでなく、その自治体独自の支援制度について確認することも大切です。
CARELAY編集部コメント
今回の資料を見ると、同じ介護保険制度でも、自治体によってかなり運用に違いがあることが分かります。
特に、福祉用具や住宅改修への支援、配食・見守り、市町村独自給付、利用者負担の軽減などは、地域によって実施状況が異なります。
介護現場では「介護保険ではできません」で話を終えてしまいがちですが、実際には自治体独自の制度が使える場合もあります。
ケアマネジャーや相談職にとっては、
「この市では、ほかに使える制度はないだろうか」
という視点を持つことも、利用者を支えるうえで重要です。
今回の調査は直接何かを変更する通知ではありませんが、全国の介護保険制度が実際にどのように運用されているのかを知る資料として、一度目を通しておいてもよいでしょう。
参考資料
介護保険最新情報 Vol.1545
「令和7年度介護保険事務調査の集計結果について」
厚生労働省 老健局 介護保険計画課
2026年10月2日
https://www.mhlw.go.jp/content/001755179.pdf
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