業界ニュース
【介護保険最新情報 Vol.1531】デジタル中核人材養成研修を開催 介護現場の業務改善とICT活用を学ぶ

厚生労働省は、介護テクノロジーを活用して、現場の業務改善や生産性向上を推進する人材を育成する「デジタル中核人材養成研修」を開催します。 参加費は無料で、研修はすべてオンライン。介護現場での勤務経験が通算3年以上あり、今後、業務改善やテクノロジー活用を担う方が対象です。
はじめに
2026年7月31日、厚生労働省は「介護保険最新情報 Vol.1531」を発出しました。
今回の通知は、
令和8年度「デジタル中核人材養成研修」
の開催について、介護事業所や関係者へ周知し、積極的な受講を呼びかけるものです。
この研修では、介護テクノロジーを単に導入するだけでなく、現場の課題を分析し、組織全体で業務改善を進め、継続的に活用できる人材の育成を目指します。
デジタル中核人材とは?
デジタル中核人材とは、
介護現場の課題を把握し、ICTや介護テクノロジーを活用しながら、業務改善を中心となって進める人材
です。
介護ソフト、見守り機器、センサー、介護ロボットなどは、導入しただけで自動的に業務が改善するわけではありません。
導入前に課題を整理し、職員間で目的を共有し、運用方法を決め、効果を検証して改善を続ける必要があります。
今回の研修では、その一連の取組を推進できる人材を育成します。
研修の目的
研修では、主に次の内容を学びます。
介護現場における生産性向上の考え方
介護テクノロジーを活用する意義
組織全体で業務改善を進める方法
改善を推進するリーダーシップ
現場の課題を発見・分析する方法
介護テクノロジーの導入計画
利用者の自立支援につなげるアセスメント
科学的介護の基本
導入後の効果検証と継続的な改善
単なる製品紹介やパソコン操作研修ではなく、実際の職場で業務改善を実践する内容になっています。
対象者は?
次の2つの条件を満たす方が対象です。
介護事業所等での勤務経験が通算3年以上
対象となる勤務先には、
介護保険サービス事業所
訪問介護事業所
居宅介護支援事業所
養護老人ホーム
軽費老人ホーム
これらを運営する法人本部
などが含まれます。
今後、業務改善やテクノロジー活用に関わる意向がある
所属先で、
生産性向上
業務改善
ICT導入
介護テクノロジーの導入・活用
などを推進する中核人材として、今後の取組に関わる意向がある方が対象です。
職種や役職は問われない
対象となる職種や役職に制限はありません。
例えば、
介護職
看護職
リハビリテーション専門職
ケアマネジャー
相談員
事務職
管理者
法人本部職員
などが対象となります。
「管理者でなければ受講できない」「ICT担当者でなければならない」という研修ではありません。
今後、職場の業務改善を中心となって進めたい方であれば、幅広い職種が対象です。
参加費は無料
研修の参加費は、
無料
です。
定員は合計2,300人で、研修セットごとに定員へ達した時点で募集が締め切られます。
早い日程の研修は2026年8月6日から申込みが始まります。
研修はすべてオンライン
研修は、すべてオンラインで開催されます。
開催期間は、
2026年9月から2027年1月
です。
研修セットは複数用意されており、申込み時に受講する日程を選択します。
原則としてパソコンでの受講が必要です。
タブレットでの参加は推奨されておらず、スマートフォンでは参加できません。
研修は3日間だけではない
チラシではオンライン授業が3日間と案内されていますが、研修は授業を受けるだけではありません。
主な流れは次のとおりです。
受講申込み
事前動画・オンデマンド学習
オンライン授業1日目
自職場で業務分析を実践
オンライン授業2日目
自職場で導入計画書を作成
オンライン授業3日目
確認テスト
オンライン授業の間には、それぞれ約4週間の職場実践があります。
自分の職場で業務分析を実施
授業1日目の終了後には、
自職場での業務分析
に取り組みます。
具体的には、
改善プロジェクトチームを立ち上げる
現場の業務を整理する
課題や負担を可視化する
分析結果を提出する
といった取組を行います。
研修内容を聞いて終わるのではなく、実際の勤務先で改善活動を始める点が特徴です。
介護テクノロジー導入計画を作成
授業2日目の終了後には、
介護テクノロジー導入計画書
を作成します。
業務分析によって見つかった課題に対して、
どのようなテクノロジーが使えるか
導入によって何を改善したいか
どのように運用するか
職員へどう共有するか
効果をどのように確認するか
を具体的に計画します。
作成した計画書は、将来的なテクノロジー導入や補助金申請の検討にも活用できる可能性があります。
研修で学ぶ主な内容
オンライン授業では、次のような内容が予定されています。
1日目 介護現場の業務改善
生産性向上に関する制度とガイドライン
現場の問題発見
課題解決の方法
ケーススタディ
業務分析の進め方
2日目 介護テクノロジーの導入
介護ロボットやICTの基礎
介護テクノロジーの普及状況
リーダーシップ
心理的安全性
導入計画書の作成
3日目 利用者支援に向けた活用
テクノロジー導入の動機づけ
導入・運用コストを抑える方法
取得したデータの分析・活用
個別ケアの見直し
チームで成果を生み出す方法
事業所側の協力も必要
厚生労働省は、受講者が所属する施設・事業所に対して、
研修受講時間の確保
職場内での協力体制
自職場での実践への支援
を求めています。
研修は、職員が個人的に動画を見るだけのものではありません。
勤務先で業務分析や導入計画の作成を行うため、管理者や他の職員の協力が必要です。

事業所への影響は?
介護テクノロジーを導入しても、
現場が使ってくれない
操作方法が分からない
導入前より手間が増えた
一部の職員しか使えない
効果を確認できていない
という事業所は少なくありません。
今回の研修は、こうした問題を防ぎ、現場と経営の間に立って業務改善を進める人材を育てる内容です。
今後ICTや介護テクノロジーの導入を予定している事業所では、担当者候補の受講を検討してもよいでしょう。
CARELAY編集部コメント
介護現場の生産性向上では、
「どのシステムを導入するか」よりも、「何を改善するために導入するのか」
が重要です。
高額なシステムや機器を導入しても、現場の課題と合っていなかったり、運用方法が決まっていなかったりすれば、かえって職員の負担を増やすことがあります。
今回の研修は、テクノロジーそのものだけでなく、業務分析、チームづくり、計画作成、効果検証までを学ぶ内容です。
受講者にすべてを任せるのではなく、事業所全体で改善活動を支えることが、研修を実際の成果につなげるポイントになります。
参考資料
介護保険最新情報 Vol.1531
https://www.mhlw.go.jp/content/001731699.pdf
CARELAYのご案内
CARELAYでは、介護・医療・福祉業界の最新情報をはじめ、事業所運営や地域連携に役立つ情報を発信しています。
また、介護・福祉事業所の検索や情報発信、事業所間の交流・連携など、地域の介護・福祉をつなぐさまざまな機能をご利用いただけます。
事業所情報の登録・基本機能は無料です。
