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【介護保険最新情報 Vol.1532】8月から負担軽減の所得基準を見直し 全106ページの要点を解説

厚生労働省は、老齢基礎年金額の変更に伴い、介護保険施設等の食費・居住費を軽減する制度や、高額介護サービス費の所得基準を見直しました。 新しい基準は2026年8月1日から適用されます。原資料は全106ページありますが、改正後の通知全文、申請様式、参考資料などが一式収録されたものであり、制度変更が106ページ分あるわけではありません。
はじめに
2026年7月31日、厚生労働省は「介護保険最新情報 Vol.1532」を発出しました。
今回の通知は、
「介護保険制度における利用者負担等の事務処理の取扱いについて」の一部を改正するものです。
原資料は表紙を含めて全106ページあります。
ただし、その大部分は、
改正後の事務処理通知
負担限度額認定の申請書・同意書
自治体間の照会・回答様式
金融機関への預貯金照会に関する資料
境界層措置や旧措置入所者に関する資料
などの別添・参考資料です。
本記事では、介護事業所や利用者・家族に関係する主な変更点を絞って解説します。
今回の改正で何が変わるの?
今回の改正では、2025年中に支給された老齢基礎年金の満額が、
年82万6,500円
となったことを踏まえ、低所得者向けの負担軽減制度で使用する所得基準が見直されました。
主に関係するのは、次の制度です。
対象制度 | 主な内容 |
|---|---|
特定入所者介護(予防)サービス費 | 施設やショートステイの食費・居住費の負担軽減 |
高額介護(予防)サービス費 | 1か月の介護サービス自己負担が上限を超えた場合の支給 |
関連する事務処理・申請様式 | 新しい基準額に合わせて記載内容等を更新 |
新しい基準は、2026年8月1日から適用されます。
基準額は「年82万6,500円」に
市町村民税非課税世帯の一部では、本人の所得区分を判定する際に、
課税年金収入額
非課税年金収入額
その他の合計所得金額
を合計して判定します。
今回、この判定に使われる基準の一つが、
年82万6,500円以下へ変更されました。
これまで資料などで「80万円」「80万9,000円」など、年度によって異なる基準が使われてきましたが、2026年8月以降は新しい年金額を反映した基準で判定されます。
特定入所者介護サービス費とは?
特定入所者介護サービス費は、所得や資産が一定以下の人について、介護保険施設やショートステイを利用する際の、
食費
居住費
滞在費
の負担を軽減する制度です。
対象となる主なサービスには、
特別養護老人ホーム
介護老人保健施設
介護医療院
地域密着型介護老人福祉施設
短期入所生活介護
短期入所療養介護
などがあります。
制度を利用するには、市町村へ申請し、介護保険負担限度額認定証の交付を受ける必要があります。
負担段階の所得区分
今回の改正後は、市町村民税非課税世帯における年金収入等の区分について、主に次の基準が使用されます。
区分 | 課税年金収入額・非課税年金収入額・その他の合計所得金額 |
|---|---|
第2段階 | 年82万6,500円以下 |
第3段階① | 年82万6,500円超~120万円以下 |
第3段階② | 年120万円超 |
実際の認定では、世帯の課税状況や生活保護の受給状況、預貯金等の資産要件も含めて市町村が判定します。
収入だけで自動的に対象となるわけではありません。
預貯金等の資産要件もある
負担限度額認定では、本人と配偶者の預貯金、有価証券なども確認されます。
改正後の申請書に示されている主な資産上限は、次のとおりです。
所得区分 | 単身 | 夫婦 |
|---|---|---|
老齢福祉年金受給者等 | 1,000万円以下 | 2,000万円以下 |
年金収入等82万6,500円以下 | 650万円以下 | 1,650万円以下 |
82万6,500円超~120万円以下 | 550万円以下 | 1,550万円以下 |
120万円超 | 500万円以下 | 1,500万円以下 |
40歳から64歳までの第2号被保険者については、別の資産基準が適用されます。
申請時には、通帳の写しなど、資産状況が確認できる書類の提出を求められる場合があります。
高額介護サービス費にも基準変更を反映
高額介護サービス費は、同じ月に支払った介護サービスの自己負担額が一定の上限を超えた場合に、超過分が支給される制度です。
市町村民税非課税世帯のうち、年金収入等が年82万6,500円以下の人などについては、主に次の負担上限が適用されます。
世帯上限:月2万4,600円
個人上限:月1万5,000円
市町村民税課税世帯については、所得区分に応じて、
月4万4,400円
月9万3,000円
月14万100円
などの世帯上限が設定されています。
今回の改正で、高額介護サービス費の仕組みそのものが大きく変わるわけではありません。
低所得者区分の判定に使用する年金収入等の基準を、新しい年金額に合わせて見直す内容です。
1割・2割・3割の負担割合は変わるの?
今回の資料には、介護サービス利用時の1割・2割・3割負担に関する判定事務も掲載されています。
ただし、今回の改正の中心は、
低所得者向けの負担軽減制度に使用する基準額の見直しです。
一般的な1割・2割・3割負担の仕組みが、今回全面的に変更されたわけではありません。
PDFには、自治体が行う負担割合証の交付、世帯変更時の再判定、所得の修正申告があった場合の過誤調整など、既存の事務処理もまとめて収録されています。
預貯金照会のオンライン化に関する資料も収録
負担限度額認定では、申告された資産状況を確認するため、市町村が金融機関へ預貯金等を照会する場合があります。
今回のPDFには、
預貯金照会のオンライン化拡大に関する案内資料
も収録されています。
これは主に自治体の事務効率化に関する内容です。
介護事業所が新たなシステムを導入したり、利用者の預貯金を直接確認したりするものではありません。
事業所への影響は?
今回の改正で特に確認が必要なのは、次の事業所です。
特別養護老人ホーム
介護老人保健施設
介護医療院
地域密着型介護老人福祉施設
短期入所生活介護事業所
短期入所療養介護事業所
負担限度額認定証を確認して食費・居住費等を請求する事業所
事業所としては、
2026年8月以降の認定証か
認定証の有効期間
記載されている負担段階
食費・居住費等の負担限度額
を確認し、認定証の内容に沿って請求することが重要です。
事業所が利用者の収入や預貯金を調査し、独自に負担段階を判断する必要はありません。
判定と認定証の交付は、市町村が行います。
利用者・家族への影響は?
現在、負担限度額認定を受けている人や、対象となる可能性がある人は、
新しい認定証が届いているか
有効期間が2026年8月1日以降になっているか
負担段階に変更がないか
を確認しておきましょう。
所得基準が変更されても、すべての利用者の負担額が変わるわけではありません。
世帯の課税状況、年金収入等、預貯金等の資産状況によって、市町村が個別に判定します。
負担限度額認定を受けていない場合や、対象になるか分からない場合は、住所地の市町村介護保険担当窓口へ確認してください。
原資料は全106ページ 必要なページを確認
今回のPDFは、制度改正の説明だけでなく、改正後の通知全文、申請様式、参考資料などがまとめて収録されています。
必要な資料を探しやすいよう、主な収録内容をページ別に整理しました。
Vol.1532 PDFインデックス
https://www.mhlw.go.jp/content/001732254.pdf
PDFページ | 内容 |
|---|---|
1 | 介護保険最新情報 Vol.1532 表紙 |
2~3 | 今回の一部改正について・収録資料一覧 |
4~5 | 改正後通知の総則・目次 |
6~15 | 別添1:利用者負担割合の判定事務 |
16~23 | 別添2:高額介護(予防)サービス費の支給事務 |
24~43 | 別添3:特定入所者介護(予防)サービス費の支給事務 |
44 | 別添様式1:介護保険負担限度額認定申請書 |
45 | 別添様式2:同意書 |
46 | 別添様式3:非課税年金の受給状況について(照会) |
47 | 別添様式4:非課税年金の受給状況について(回答) |
48~58 | 参考資料1:金融機関本店等への一括照会に関する改正通知等 |
59~70 | 参考資料2:金融機関本店等への一括照会の実施について |
71~77 | 参考資料3:預貯金照会のオンライン化に関する案内 |
78~81 | 別添4:市町村民税課税層に対する特例減額措置 |
82~83 | 別添様式5:特例減額措置に係る資産等申告書 |
84~86 | 別添5:境界層措置の運用 |
87~100 | 参考資料4:境界層該当者の取扱い |
101~103 | 別添6:旧措置入所者に係る手続き |
104 | 別添様式6:旧措置入所者に関する認定証 |
105 | 別添7:その他 |
106 | 別添様式7:高額医療合算介護サービス費の申請書 |
各様式や詳しい事務処理を確認する場合は、厚生労働省の原資料をダウンロードし、上記のページを確認してください。
CARELAY編集部コメント
今回のVol.1532は全106ページあり、一見すると大規模な制度改正のように見えます。
しかし、実際には改正後の通知全文や申請様式、金融機関への照会資料などが一式収録されているため、ページ数が多くなっています。
介護事業所が特に押さえておきたいのは、
2026年8月から、低所得者向けの負担軽減制度に使用する基準額が年82万6,500円へ見直されたことです。
負担段階の判定自体は市町村が行います。
施設やショートステイでは、利用者の所得を独自に判断するのではなく、新しく交付された負担限度額認定証の内容と有効期間を確認し、正確に請求することが大切です。
また、利用者や家族から制度について質問を受けた際は、収入だけでなく世帯の課税状況や預貯金等の資産要件もあることを説明し、詳しい判定については市町村窓口へ案内しましょう。
参考資料
介護保険最新情報 Vol.1532
「介護保険制度における利用者負担等の事務処理の取扱いについて」の一部改正について
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