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【介護保険最新情報 Vol.1533】介護保険システムの標準化基準を制定 自治体システムの機能・帳票を統一へ

厚生労働省は、自治体が使用する「介護保険システム」について、全国共通となる機能要件や帳票要件などの標準化基準を定めました。 主に自治体やシステム事業者に関係する内容で、介護事業所が使用する介護ソフトを直接変更する通知ではありません。
はじめに
2026年8月7日、厚生労働省は「介護保険最新情報 Vol.1533」を発出しました。
今回の通知は、
地方公共団体が使用する介護保険システムについて、必要な機能や帳票などの標準化基準を定める省令・告示が公布されたこと
を案内するものです。
介護保険では、市町村が被保険者資格、保険料、要介護認定、保険給付など、多くの情報をシステムで管理しています。
これらの自治体システムについて、全国で一定の共通ルールに基づいて運用できるよう、機能や帳票の標準化が進められています。
今回の通知で何が決まったの?
今回、介護保険システムの標準化に関して、主に4つの省令・告示が公布されました。
内容 | 概要 |
|---|---|
標準化基準省令 | 介護保険システムに必要な機能・帳票の基本的な基準を規定 |
要件標準告示 | 機能や帳票の細かな要件、実装区分、適合基準日などを規定 |
要件標準経過措置告示 | 標準化への対応が難しい自治体等に対する経過措置 |
適合困難システム経過措置告示 | 特に標準化への移行が困難なシステムについて適用日を設定 |
これらは2026年8月7日に公布され、同日から施行されています。
「介護保険システムの標準化」とは?
今回対象となっている「介護保険システム」は、主に市町村などの保険者が介護保険制度を運営するために使用しているシステムです。
自治体ごとに異なる仕様でシステムを構築していると、
システムごとに機能が違う
制度改正時の改修負担が大きい
システム移行が難しい
ベンダーごとの独自仕様が増える
自治体間で事務処理を統一しにくい
といった問題が生じます。
そこで国が一定の標準仕様を定め、自治体の情報システムを共通化・標準化していく取組が進められています。
厚生労働省では以前から「介護保険システム標準仕様書」を公開しており、今回、その内容を踏まえた標準化基準が省令・告示として定められました。
どんな機能が標準化されるの?
介護保険システムについて、主に次のような業務を処理する機能が標準化の対象となります。
主な機能
外部システムや自治体内部システムとの連携
被保険者資格の管理
介護保険料の賦課・徴収
保険料滞納に関する管理
介護保険給付対象者の管理
要介護・要支援認定に関する管理
介護給付費等の支給管理
介護保険に関する調査・分析・報告
介護予防・日常生活支援総合事業の管理
つまり、市町村が介護保険を運営するための主要な業務が広く対象になっています。
帳票も全国共通の基準へ
今回の標準化では、システムの機能だけでなく、自治体が介護保険業務で使用する帳票についても基準が設けられています。
対象となる帳票は非常に多く、
介護保険被保険者証
介護保険負担割合証
介護保険負担限度額認定証
要介護・要支援認定申請書
要介護認定結果通知書
居宅サービス計画作成依頼届
住宅改修費支給申請書
福祉用具購入費支給申請書
高額介護サービス費支給申請書
介護給付費通知書
総合事業に関する各種通知・申請書
などが含まれています。
省令には225種類の帳票が列挙され、それぞれの詳細な要件については厚生労働省が公開する標準仕様書等で定められます。
介護事業所の介護ソフトも変更が必要?
ここは誤解しやすいポイントです。
今回直接の対象となるのは、地方公共団体が介護保険行政のために使用する介護保険システムです。
そのため、「介護事業所が使っている介護記録ソフトや請求ソフトを、今回の通知に合わせて変更しなければならない」という内容ではありません。
介護事業所側で、今回の通知を受けてすぐに新しいシステムを導入したり、設定変更を行ったりする必要は基本的にありません。
ただし、将来的に自治体側のシステムや帳票が標準化されることで、介護事業所が提出・受領する書類や自治体との情報連携にも影響が出てくる可能性があります。
すべての自治体がすぐに切り替わるわけではない
今回の省令は2026年8月7日から施行されていますが、
すべての自治体が同じ日に標準化対応を完了するわけではありません。
現在使用している介護保険システムの事情などから、標準化への対応が難しい自治体については経過措置が設けられています。
一部については、2029年4月1日を適合基準日とする措置が設けられています。
また、特に標準化基準への適合が困難なシステムについては、省令施行から5年を超えない範囲で、厚生労働大臣が別途適用日を定める仕組みも設けられています。
なぜ標準化が必要なの?
介護保険制度は全国共通の制度ですが、その事務を担う自治体のシステムは、これまで自治体ごとに個別に構築・運用されてきました。
システムを標準化することで、
自治体ごとの独自仕様を減らす
システム開発・維持管理の負担を軽減する
制度改正への対応をしやすくする
自治体間の事務処理を共通化する
データ連携を行いやすくする
といった効果が期待されます。
介護保険だけではなく、地方公共団体のさまざまな行政システムについて、国全体で標準化が進められています。今回の通知は、その介護保険分野に関するルールを正式に定めたものといえます。
事業所への影響は?
今回の通知によって、一般の介護事業所が直ちに何か対応する必要は基本的にありません。
主な対象は、
市町村などの保険者
自治体の介護保険担当部署
自治体向け介護保険システムを提供する事業者
です。
ただし、介護事業所も今後、
自治体から交付される帳票
自治体へ提出する書類
介護保険に関する情報連携
行政手続きのデジタル化
などにおいて、標準化の影響を受ける可能性があります。
現時点では、「介護事業所向けの新しい義務が追加された通知ではない」と理解しておけばよいでしょう。
今回の資料で確認したいポイント
Vol.1533は17ページありますが、その多くは官報に掲載された省令・告示や、経過措置の対象となる自治体の一覧です。
介護事業所としてすべてを読み込む必要性は高くありません。
ポイントは、
① 自治体の介護保険システムについて標準化基準が正式に定められた
② システムの機能だけでなく、介護保険関係の帳票も標準化される
③ 一部自治体には経過措置がある
④ 一般の介護事業所へ直ちに新しい対応を求めるものではない
この4点です。
CARELAY編集部コメント
今回のVol.1533は、省令名が非常に長く、内容もシステム仕様や自治体名の一覧が中心となっているため、介護事業所から見ると「結局、何の話なのか」が分かりにくい通知です。
簡単にいえば、
自治体ごとにバラバラになりやすかった介護保険システムについて、全国共通のルールで整備していくための基準が正式に定められた
という内容です。
現場の介護職員や事業所管理者が、今回の通知を受けて新たな作業をする必要はありません。
一方で、介護保険制度では今後、自治体システムの標準化や介護情報基盤など、行政側を含めたデジタル化がさらに進んでいきます。
直接の対応が必要ない通知でも、「介護保険を支える仕組みがどの方向へ変わっているのか」という視点で知っておくことには意味がありそうです。
参考資料
介護保険最新情報 Vol.1533
地方公共団体情報システムの標準化に関する法律に基づく、介護保険システムの標準化基準を定める省令等の公布について
https://www.mhlw.go.jp/content/001735289.pdf
厚生労働省「標準仕様書(介護保険)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_20794.html
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